
混ぜるを考える
高粘度だけじゃない。少量・高濃度試料でカクハンターが選ばれる理由
今回は、粒子と流体の混合物を主な対象として、撹拌・塗布・乾燥の各プロセスにおける粒子分散状態の評価技術構築および制御メカニズムの解明をテーマに、写真化学株式会社との産学連携による共同研究を推進しながら日々研究をされている、神戸大学 工学研究科 応用化学専攻 准教授の菰田 悦之先生にインタビューをさせていただきました。
どのような場面・目的でカクハンターを使用されていますか
高粘性流体中に粒子を分散させる操作で主に使用しております。流体の粘度が低くても粒子濃度が高い場合や試料が少ない場合にも使用することが多いです。また、測定前の再分散操作のためにも使用しています。
他の分散機(例:プロペラ式等)との比較・違いについて
粘度が低い流体に大きめの粒子を懸濁するのであれば、撹拌翼+モーターやホモジナイザーを用いることが多いです。また、分散が不十分である場合には、超音波ホモジナイザーや旋回型高速ミキサーを併用することもあります。従って、少量でほどほどに粒子を分散させたい場合に用いることが多いです。
他の公転自転方式の分散機とカクハンターとの比較・違いについて
カクハンターと非接触温度センサを併用し、試料の内温変化が計測できることで、粒子の分散状態の指標とすることができます。また、試料が加熱され溶媒が揮発する場合など、蓋を開ける前にその危険性が分かるため、冷却に必要な時間を知ることもできます。
実際に使用されて感じるメリット(仕上がり、作業効率、安全性など)について
容器そのままで撹拌できるため、試料の移し替えの手間やロスがないことがとても助かります。
また、装置側の清掃の手間が省けるのも大きな魅力です。重量管理を正確に行うこと、イレギュラーな振動が出だしたらすぐに停めることの二点に注意すれば安全上も問題なく使用できます。
使用上の工夫や、特に効果を感じた材料・条件について
試料の温度が上がり過ぎないように注意してます。加熱によって粘度が下がり過ぎると混ざりにくくなることが多いです。
あらかじめ、試料を少し混ぜておくと分散が早く進むこともあります。また、長時間連続操作するよりもこまめに時間を区切って、仕上がりを確認しながら、必要に応じてスパチュラで混ぜる場合もあります。その際、スパチュラ操作は再現性が得られるように注意しています。
使用していて課題に感じる点、改善してほしい点について
液量によって試料に対して撹拌の効果が変わり、同じ条件で操作しても結果にばらつきが生じることがあります。また、撹拌中の様子を直接確認できないため、どのタイミングで撹拌を終えるべきか判断しにくい点も課題となっています。
今後の研究・開発における展望、カクハンターに期待することについて
上記の課題を念頭に置きながら、再現性の高い撹拌条件の確立や、撹拌状態を客観的に評価する手法の構築を目指し、現在、企業との共同研究に取り組んでいます。
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