
混ぜるを考える
非ニュートン流体について
私たちの身の回りにある流体の中には、水や空気のように流れ方が単純なものもあれば、そうでないものもあります。流れるときの性質がシンプルで、流れの速さに応じて内部の抵抗(流体の粘り気)が一定の割合で変化するものは「ニュートン流体」と呼ばれます。これに対して、そのような単純な関係が成り立たない流体を「非ニュートン流体」と呼びます。
非ニュートン流体の特徴は、流れの速さや力の加え方によって、粘り気が変わることです。たとえば、はちみつはゆっくり流すと非常にねばねばしていますが、勢いよくかき混ぜると少し流れやすく感じます。これは、流れ方によって粘度(粘り気)が変わる非ニュートン流体の典型的な例です。
非ニュートン流体には、さまざまなタイプがあります。いくつか代表的なものを紹介します。
・剪断減粘性流体
速く流すと粘り気が減るタイプです。はちみつ、ケチャップ、血液、プリン用のソースなどがこれに当たります。
・剪断増粘性流体
逆に、流れが速くなると粘り気が増すものです。片栗粉を水に溶かした「ダイラタンシー流体」が有名で、強く叩くと硬くなる性質があります。
・塑性流体
一定以上の力を加えないと流れ出さないタイプです。歯磨き粉、マヨネーズ、泥などがこれに当たります。
・粘弾性流体
液体でありながら、弾力性も持つ流体です。スライムやシリコンゴム、ある種の高分子溶液などが該当します。
非ニュートン流体は、食品、化粧品、医療、工業プロセスなどさまざまな分野で重要な役割を果たしています。たとえば、血液の流れは非ニュートン流体の特性を持っており、医療機器や人工心臓の設計ではこの性質を考慮する必要があります。また、ケチャップの容器が逆さにすると流れやすくなるのも、この性質をうまく利用したものです。
ニュートン流体と比べると、非ニュートン流体の振る舞いはより複雑で、理論的な扱いも難しくなります。そのため、現代の流体力学やレオロジー(流動学)では、非ニュートン流体の研究が活発に行われています。
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